ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を使い表面の古くなった皮膚をはがす美容医療です。はがすと聞くと、なんだか痛そうと思われたかもしれませんが、痛みなどはそれほどありません。

ケミカルピーリングでシミはきれいになりますが、実際に効果はどれほどあるのでしょう。ここでは効果だけでなく、施術を受ける方法などを解説していきます。

ケミカルピーリングは病院で受けるもの

ケミカルピーリングは比較的新しい美容法です。1990年代に欧米で広まっている美容法ということで、日本でも注目されるようになりました。

現在の日本では、ケミカルピーリングは医療行為とみなされ、病院での施術しか受けられません。

エステティックサロンでも、同じような効果があるという施術を行っていますが、使用する薬液に制限があり、皮膚科専門医や美容外科で受ける本物のケミカルピーリングとは違うものです。

確実な効果を求めるのなら、施術経験の豊富な皮膚科専門医や美容外科で行うことをおすすめします。

病院を選ぶポイント

ケミカルピーリングを行うと明記している皮膚科専門医や美容外科について、事前によく調べておくといいでしょう。気になるところがあったら、直接電話かメールなどでカウンセリングの予約をします。

カウンセリングに快く対応してくれるような病院だと、安心して施術も受けられます。ケミカルピーリングは1度でも効果はありますが、よりきれいにシミを取りたかったら、数回施術を受けることになります。何回か通うことになるのですから、スタッフの対応などもよいところがおすすめです。

カウンセリングのときに、担当医によってあなたの肌にあった薬液が選ばれます。このときに肌が弱いとか、アトピーがあるなどの情報はしっかり伝えておきましょう。場合によっては、施術を断られる可能性もあります。

施術内容、回数、使う薬液の説明などに納得したら、すぐその日にても施術は受けられます。

施術の流れ

メイクを落とし、優しく洗顔をします。その後で、顔にフルーツ酸とも呼ばれている薬剤、グリコール酸(植物由来)、サリチル酸マクロゴール、乳酸などを塗っていくのです。

多少、ぴりぴりした感じがするかもしれません。けれどこの薬剤の効果で、古くなった皮膚の角質層がはがれ落ちていくのです。

薬剤を塗ってしばらくすると、今度はていねいにぬぐい取ってもらいます。その後で中和剤を塗り、冷やして肌を落ち着かせてから、最後にまたていねいに拭ってもらって施術は完了です。ケミカルピーリングの施術だけなら、30分程度ですべて終わります。難しいことも、痛いようなこともありません。

施術前の注意点

できれば前日から日焼けを避けて、肌が荒れないようにしておくといいでしょう。治療前に顔そりや、ゴシゴシと力強く洗顔するようなことをしてはいけません。もしおこなってしまった場合は、ケミカルピーリングの施術まで少し時間を空けます。

施術後の注意点

施術後、注意しなければいけないことがあります。せっかくきれいになった肌をいたわるためにも、注意は守ってください。

①日焼けに注意

日焼け予防の役割をする角質層がはがれ、生まれ変わったばかりの皮膚は、紫外線にとても弱い状態です。施術後は帽子などで日よけをするだけでなく、UVカットの化粧品などで積極的に日焼け対策をしましょう。

日焼けによりメラニンが形成され、シミの原因になります。シミを作らないようにすることも、肌の美白には大切なことです。

②保湿に注意

新生の皮膚は乾燥しやすい状態です。保湿力のあるクリームや乳液、美容液などでしっかり保湿してください。

③術後の洗顔やメイク

術後は肌がデリケートな状態ですから、洗顔もそっとおこなうようにしましょう。皮脂をごっそり落としてしまうような、スクラブ系の洗顔料は使用しないようにします。

メイクは術後でも可能ですが、すぐにフルメイクはおすすめしません。できれば半日ほどはなにもせずに肌を休ませてあげたいものです。

ケミカルピーリングにかかる費用

ケミカルピーリングの値段はどこも同じではありません。クリニックによって特有の施術がプラスされたり、使用する薬液にランクがあったりするからです。

代表的なクリニックの料金と、使用している薬液の情報をご紹介いたします。施術料金だけでなく、使っている薬剤についてもどれがいいのか、選ぶ参考にしてください。

①高須クリニック

  • 料金:1回15,000円
  • 使用薬剤:グリコール酸使用

②品川スキンクリニック

  • 料金:1回3,610円
  • 使用薬剤:グリコール酸使用

③湘南美容外科

  • 料金:1回4,860円
  • 使用薬剤:サリチル酸マクロゴール使用

④クミコクリニック

  • 料金:1回13,000円(ビタミンCイオン導入かCオペラ導入含む)
  • 使用薬剤:グリコール酸、サルチル酸、乳酸使用

⑤城本クリニック

  • 料金:1回7,000円
  • 使用薬剤:グリコール酸、サルチル酸使用

ケミカルピーリングでシミが綺麗になる仕組み

シミは日焼けによってできたメラニンが、肌の表面にでてきたものです。肌の新陳代謝、ターンオーバーが普通にできている状態なら、約1ヶ月の周期でメラニンによるシミは自然と消えていきます。新しい皮膚が生まれることで、シミになった皮膚がはがれ落ちていくからです。

ところが加齢や生活の乱れからターンオーバーが正常に行われなくなると、皮膚の再生が滞りシミがいつまでも残った状態になってしまうのです。

ケミカルピーリングは古くなり角質化の進んだ皮膚を、酸の力ではがしていくものです。表面の汚れた肌がはがれ落ちると、その下にある新しい皮膚がでてきます。

ケミカルピーリングのシミ以外の効果

ケミカルピーリングはシミ取りだけでなく、くすみを取る効果もあります。肌が再生されると、これまでのくすんだ地肌がワントーン明るい色になっていきます。

毛穴の黒ずみも改善されます。特に鼻などは黒ずみが目立って気になるものですが、ケミカルピーリングを何度か続けていくことできれいになっていきます。

またニキビ対策にも効果があります。美肌効果のためにケミカルピーリングをおこなうのなら、月に1度が望ましいのですが、ニキビのためにケミカルピーリングを利用するには、2週間に1度の施術が必要です。皮膚の再生能力をあげる必要があるからです。

ケミカルピーリングの副作用

日本にケミカルピーリングの施術が導入されたばかりの頃は、皮膚がただれるなどのトラブルがありました。原因は使用する酸の薬剤が、日本人の肌には強すぎたためです。日本人は欧米人に比べて、肌の角質層が薄いのです。

トラブル防止のため、現在では日本人向けの薬剤を使用して、皮膚科専門医や美容外科などの医療機関で行うようにと定められています。

肌の弱い人や重度のアトピー性皮膚炎の場合、ケミカルピーリングはおすすめできません。安全になったとはいえ、肌質に合わなければやはりトラブルになります。

まとめ

ケミカルピーリングはそれほど難しい施術ではないことが、お分かりいただけたでしょうか。酸による薬剤を塗って、古くなった皮膚の角質をはぎ取るというものですが、思っていたよりずっと簡単な施術だったでしょう。

アフターケアの日焼け予防、保湿、洗顔時に洗いすぎないなどの注意点を守れば、明るい素肌でいらます。月に1度の施術を、クリニックはすすめてくるでしょうが、そこはあなたの満足度次第です。

1度の施術だけで、美肌を手に入れることも可能でしょう。その後はターンオーバーが正常に続いていくように、普段の生活も見直してください。

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