寝不足

睡眠不足が肌にとって悪影響を及ぼすということは、多くの人が知っていますよね。睡眠不足によって肌荒れやニキビ、それにクマが出ることも顕著なことです。しかしながら、睡眠不足は、一般的に知られた肌荒れのみならず、 シミにまでも影響してしまうのです。

睡眠不足とシミとの関係

睡眠とシミとは蜜月関係といっても差し支えありません。睡眠が十分であれば、これとともに発育も促進されることとなり、肌の調子もよくなっていきます。そのために、睡眠は肌の調子を整えシミを防止するためには不可欠な要素なのです。

日本人には、あまり睡眠時間をとらない人や、あるいは睡眠時間をとらないことを自慢げに語る人が多い傾向にあるのですが、どの程度の睡眠時間が必要であるかは、それぞれ個別に応じて異なってきます。なかには5時間も確保できれば十分であるという人もいますし、10時間は必要という人も存在します。

しかし、肌にとっては、睡眠時間は十分にとることが望ましいのです。それというのも、実年齢よりも若く見える肌を有している人の大部分が、十分な睡眠を確保しているものと考えられるからです。

知人のなかにそのような人がいないか思い当たる節はありませんか?睡眠不足により目の下にクマが出ているにもかかわらず、きれいな肌をしている人は滅多にいないのではないでしょうか。

肌の修復はどのような時点でなされているかというと、我々が休息しているうちに身体の各所において行われているのです。特に睡眠中であれば、その働きが最も活発になるとされています。

そのため、睡眠不足であれば、肌トラブルをどうしても惹起してしまうといっても過言ではありませんね。ところで、睡眠不足がシミを生じさせる原因とはどのような点にあるのでしょうか。

睡眠不足がシミの原因になる根拠

そもそも睡眠不足になるのは、睡眠時間の不足が根本原因ではなく、睡眠の質が低いことにあります。なぜ、睡眠の質が低くなるかというと、心因性のストレスや運動不足、ひいては睡眠時間を確保できないことを理由とするものなど諸々理由が存在するのですが、どのような根拠であろうとも睡眠不足はシミを惹起してしまいます。

ヒトが睡眠している際の体内では、成長ホルモンの分泌とともに、脳内に存在する器官である松果体からメラトニンと呼ばれるホルモンが分泌されています。これこそが快適かつ質の高い睡眠のために不可欠なものであって、メラトニンの量に応じて睡眠の質が向上するという次第なのです。

このメラトニンですが、睡眠不足を防止し、睡眠の質を担保するのみならず、シミの根本要因となるメラニン色素を抑制する作用までもあるのです。それどころか、メラニン色素の生成の促進させるメラニン細胞刺激ホルモンが発見された事後において、メラトニンが発見されたという経緯までもあるほどなのですよ。

メラトニンと成長ホルモンとは相性がよく、互いに促進させる作用までもあります。つまり、睡眠不足によって成長ホルモンの分泌がなされていない状況であれば、当然にメラトニンの分泌も減少していくことから、シミが肌に生じてしまう可能性が相当高くなるといえるのです。よって、シミ対策として、質の高い睡眠をとることは不可欠といっても過言ではありません。

理想的な睡眠の時間帯

睡眠をどの時間帯にとるべきかは、よく議論されるところなのですが、夜の10時ないし夜中の2時がベストな時間帯とされています。この時間帯に睡眠をとることで、成長ホルモンの分泌が活発になるとされているからなのです。

成長ホルモンの分泌が不十分であれば、肌の新陳代謝が上手くなされず、皮膚の細胞についても再生されないことから、肌にメラニンが残存しやすくシミが生じやすくなります。

この理論を前提とすれば、夜の10時前に就寝し、午前2時以降に起床するようにすれば、肌のシミ対策として有用ということになります。

特に著名なモデルや女優の一部が、早めに就寝するといった旨の情報もあふれていますよね。表舞台に立っている人ほど率先しているのですから、早めの就寝は美肌には不可欠なものともとれます。

しかし、成長ホルモンの分泌が活発化するのは、時間帯とはあまり関係なく、眠りについてから3時間から4時間経過後に最も顕著に分泌されるということも立証され始め、前述した通説を優越するものとされているほどなのです。

このことを踏まえれば、単に睡眠をとる時間帯についてあまりにこだわりすぎるのではなく、より深く睡眠をとることによって睡眠時間を確保することに注視すべきといえるのではないでしょうか。いずれにしても、重要なのは、同じ時間帯に就寝することであって、生活のリズムを築いておくことでしょうね。

もし、睡眠をとる時間帯が無関係であるからといって、夜遅くまで起きていても大丈夫とタカをくくっていれば、毎日の睡眠時間が崩れてしまい、睡眠の質に影響を及ぼすこともあり得るわけです。

夜の10時ないし深夜2時がゴールデンタイムとする通説は、通説に留まるものの強固な否定はされていないことから、一応の目処として夜の9時から10時までの間に就寝するようにしておくことが望ましいでしょうね。

ただ、あまりにも就寝時間にこだわりすぎると、ストレスばかりが溜まってしまい、睡眠不足になりやすくなってしまいますから、あくまでも熟睡を優先するようにしましょう。

これは睡眠時間についても同様で、睡眠時間が長時間であるにもかかわらず、スッキリしないという人もいますから、睡眠時間よりも睡眠の質のほうを重視すべきなのです。

セロトニンと睡眠との関係とは

セロトニンとは、神経伝達物質の一種であり、1日の始まりとなる起床時に自律神経の働きを促進させ活力の源となるホルモンです。そうすると、セロトニンは睡眠とは特に関係がないように見えるでしょうが、就寝時にはメラトニンのもととなることから、快適な睡眠を得るためには不可欠なのです。

セロトニンには、副交感神経を優位にし、睡眠への導入となるとされています。精神や鎮静させる作用があるとされ、ノルアドレナリンやドーパミンなどを抑制させる効果もあり、互いに均衡をとっているのです。

セロトニンが不足すれば、集中を欠くとともにイライラの原因や疲れが生じやすくなってしまいますし、心身のバランスが崩れてしまい、鬱病を併発しかねない事態にも至るなど、諸々不調を来すわけなのです。

このような状況が継続してしまえば、睡眠の質を低下させ、ストレスを生じさせてしまい、さらに睡眠不足に陥ってしまうこととなり、相当な悪循環に至るばかりです。

トリプトファンを摂取してセロトニンを生成しよう

トリプトファンとは、人間が生命活動を維持していく上で不可欠な必須アミノ酸の一種であり、体内での生成が不可能な栄養素でもあります。

そうすると、食事により摂取しなければならないのですが、トリプトファンが欠乏してしまえば、セロトニンの生成にも悪影響を及ぼすことから、結局諸々の弊害を惹起してしまうといえるのです。

トリプトファンを得るためには

トリプトファンは、タンパク質に含有されていることから、タンパク質が多量に含まれている食材を積極的に採り入れることによってトリプトファンを効率的に摂取できることになります。

このトリプトファンですが、肉類や魚介類に顕著です。スジコやカツオ、クロマグロなどの魚介類に最も多く含まれている傾向があるといえます。その次に多く含まれている傾向のあるものが肉類です。牛肉であればレバー、豚肉であればロース、鶏肉であればムネ肉に、トリプトファンは多く含まれています。

また、チーズにも多く含まれており、豆類も多いですね。なかでも「ごま」は魚介類を凌いで最もトリプトファンが含まれており、100グラムあたり370ミリグラムも含有されています。そして、意外なことに、パスタやそば、そうめんなどの麺類(穀物類)にも含まれているのです。

トリプトファンは1日あたり、120ミリグラム摂取すればいいとされていますが、睡眠不足を直したいということであれば、500ないし600ミリグラムを摂取するとよいでしょう。

もちろん、トリプトファンも大事ですが、そのほかの栄養素もおろそかにせず、バランスよく摂取していくことによって、より質の高い睡眠が得られるのですよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか?睡眠不足と密接な関連性があるのは、肌荒れだけでなくシミもそうなのです。

シミなどの肌対策として睡眠不足を改善したいのであれば、トリプトファンを1日に500ないし600ミリグラム摂取し、セロトニンを生成させると良いでしょう。

そして古典的ではあるものの、起床時に適度な運動をすることによって、寝つきを良くするといった方法も存在します。

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