年齢を重ねるごとに、気になるのが顔のシミ。サプリや美白化粧水は試してみたけれど、なかなか効果が分からない・・・よく耳にする「レーザー治療」って、実際のところどうなんだろう?今回はその気になる内容と料金についてお伝えしていきます。
目次
シミの種類とレーザー治療の種類
シミと言ってもその種類はさまざま。全てのシミに同じ治療法が効果的だとは言えません。それどころか、逆効果の場合もあるので、特に自分のシミの種類を知ることは大切なのです。
ではまず、自分のシミの種類がどれにあたるのかを把握していきましょう。
シミの種類
老人性色素斑
シミと言われるもののほとんどが、この老人性色素斑です。紫外線を浴びることで蓄積されたメラニン色素が年齢と共に浮き上がってきたものです。色も濃く、顔の中でも特に頬に多いのが特徴です。
肝斑
顔の左右対称に広がるのが肝斑です。肝臓の形に似ていることからこの名がつきました。肌の摩擦や、女性ホルモンの影響でできることが多く、30代以降に出てくる傾向があります。
そばかす(雀卵斑)
先天的な遺伝が要因と言われるそばかすは、幼少期の頃から鼻の周り、頬に表れます。紫外線を浴びると濃くなります。そばかすの状態によって、治療方法は変わってきます。
ニキビ跡(炎症性色素沈着)
ニキビ跡や、虫刺され跡が黒く沈着してしまったものが炎症性色素沈着です。
では次に、レーザー治療の種類を見ていきます。
レーザー治療の種類
【Qスイッチルビーレーザー】老人性色素斑、濃いそばかすに効果的
シミだけを狙って取り除くので、消しゴムと称されるほどその効果は高いです。肌の中にあるメラニン色素だけを焼くルビーレーザーに、瞬間的にレーザー光を通すQスイッチをとりつけたマシンで一瞬だけ集中照射。他の部分にダメージを与えることがない安心な施術です。
初めてのレーザー治療でこのマシンを体験する方も多く、一度の施術でシミが取れることもメリット。
治療の流れ
メイクを落としたら、治療をする場所に麻酔テープを貼り、1時間ほど待ちます。レーザーの痛みはわずかですが、輪ゴムではじかれた程度の痛みはあります。
1センチのシミで照射は10秒ほど。レーザーを照射したら、軟膏を塗り、テープを貼ったら終了です。照射した部分はすぐにメイクをして帰ることができますが、何日かすると色の濃いかさぶたができるので、その上から肌色のテープやコンシーラーでカバーする必要があります。2週間ほどで自然に剥がれ落ちたら、治療は終了です。
【ヤグレーザー】肝斑に効果的
さらに肌の深部にあるメラニンに働きかけるマシン。出力を弱くして少しずつ色素を飛ばしていく、レーザートーニングという施術方法で徐々にシミを薄くしていきます。続けて5回ほどの施術が必要になります。
治療の流れ
メイクを落とし、治療部分にレーザーを照射します。照射時間は範囲にもよりますが、5~30分。施術終了後すぐにメイクが可能です。
まれに内出血を起こすことがありますが、メイクでカバーできる程度のものです。また、小さくかさぶたができることがありますが、無理にはがさず、自然にはがれるのを待ちましょう。ダウンタイム(施術部分が落ち着くまでの時間)はほとんどありません。
【フォトフェイシャル】広範囲のそばかす、ニキビ跡の沈着に効果的
5種類の光を同時に照射するフォトフェイシャル。少しずつ色素を薄くしていくので肌に優しいですし、同時に毛穴ケアもできるのでなめらかな肌に変わることができます。5回ほどの連続した施術が必要です。
治療の流れ
肌を守るジェルを塗った上から照射します。照射時間は20分ほど。痛みはわずかです。ジェルを拭き取ったら、洗顔し、すぐにメイクが可能です。赤みが出ることもありますが、翌日には落ち着きます。ダウンタイムはほとんどありません。
【ライムライト】薄いシミ、肌の色ムラに効果的
日本人の肌に合わせて開発されたマシン。オークル系の肌に合わせて、シミやくすみを改善する効果があります。同時に毛穴や小ジワもケア。エイジングケアも期待できます。1カ月に1度の施術を3~5回受ける必要があります。
治療の流れ
メイクを落としたら、すぐに施術に入ります。顔全体の場合、照射時間は15分程度。痛みはほとんどないですが、痛みに弱い方や不安な方はクリームタイプの麻酔を事前に塗布することも可能です。ダウンタイムもほとんどありません。
病院とエステサロンの違いは?
では次に、施術を受けるとしたら、病院とエステサロンでどのような違いがあるのか見ていきます。
病院
基本的にシミのみの治療になるので、美肌ケアまでを視野に入れたトータルでのケアは期待できません。濃いシミや、エステサロンでの治療効果が得られなかった場合に、最終的に病院での治療を受ける傾向が強いようです。
基本的に自由診療の扱いになるので保険はききませんが、厚生労働省が認可したレーザー治療器での治療の場合、また、シミではなくアザに分類される診断の場合は保険適用となります。
また、受診する科によってもその内容は変わってきますので、自分がどんな治療を求めているのかをはっきりさせることも大切です。
皮膚科
皮膚科では、肌トラブルに代表されるニキビ・アレルギー・じんましんの治療の他、シミに関する診療も行っています。しかし、専門クリニックではないため、シミの状態を細かく診断することが難しい場合もあります。
美容クリニック
皮膚科に比べると、より専門的な診察を受けることができます。美肌に関する専門家による診察なので、詳しい原因を知ることができ、それに合った治療を受けることができます。シミ取り専門の外科や美容皮膚科もあります。
エステサロン
メラニンの抑制を行う、美容液の導入をするなど、レーザー治療だけでなく肌を整えていく効果もあるので、美肌を期待できるでしょう。
ただ、医療機関ではないため、保険はもちろん適用されませんし、シミの詳しい診断も難しく、使用するマシンも高出力の医療用レーザーではなく、出力の低いマシンでの施術になります。低めの料金設定の場合、効果も低くなる傾向があります。
その料金の相場は?
さて、実際治療を受けようと思った時に、気になるのがその料金ですよね。
フォトフェイシャル&ライムライトなど「光フェイシャル」の場合、その1回の料金は1~3万円程度。シミが気にならなくなるまで平均5回受けるとなると、総額で5~15万円かかるということになります。
一方、Qスイッチルビーレーザーやヤグレーザーなど「レーザー治療」の場合、シミのサイズによっても料金は変わってきますが1センチ×1センチのシミで平均1万円。
レーザー治療は老人性色素斑の場合ほとんどが1回の照射で終了となりますから、気になるシミを複数個治療したとしても数万円で済むことになります。
光フェイシャルとレーザー治療を比べると、一般的に、レーザー治療の方が1回の治療費は高額になります。しかし、治療期間や照射する回数を考えると、レーザーの方が安く済む場合もありますので一概にレーザーが高額とは言えません。
自分のシミの状態と予算に合わせて、治療計画を立てましょう。
病院・エステサロンの選び方
① 料金だけで判断しない
美容医療の費用は自由診療のため、その価格設定はばらつきがあります。その病院やサロンで使用しているマシンや薬品の種類、設備の充実度によって価格が決まってしまうからです。
驚くほど安価な料金設定をうたっているところもありますが、満足を得られない結果だとしたら受ける意味がありません。事前の下調べはしっかりすることが大切です。
② 情報をしっかりチェックする
その病院に信頼できる医師がいるかどうか、専門医かどうか、施術の経験値など、施術を受けるかどうかの判断材料となるのがその病院やサロンのホームページや口コミ情報です。何件か候補を選んで比較して見ると分かりやすいでしょう。
③ カウンセリングを受ける
一番大事なのが、カウンセリングです。料金の確認も大切ですが、その病院や医師が自分に合っているか、不安が残らないか、これまでの症例を確認するなど施術を決める前にしっかりとカウンセリングを受けましょう。こちらも複数の病院やサロンを比較することをおすすめします。
レーザー治療を受ける前に知っておきたい事
シミの種類にあった治療を選ぶ
シミの種類に適さない治療を受けると、かえって状態が悪化してしまうことがあります。例えば、肝斑。レーザー治療の代表ともいえるQスイッチルビーレーザーを肝斑に照射すると、肝斑は薄くなるどころか、かえって濃くなってしまします。
経験値の高い医師や、信頼できる病院を選んで、しっかり種類を見極めてもらうことが大切です。
シミが再発するのは生活習慣から
レーザー治療を受ければ、二度とシミに悩まされることはないのでしょうか?そんなことはありません。
シミができてしまった部分は、もともと、シミができやすい要因が多い場所ともいえます。ですから、普段の生活を変えなければ、再び同じ場所にシミができるのは時間の問題でしょう。紫外線を防いだり、摩擦の多いケアを避けるなど、日々の習慣を見直す必要があることも忘れてはいけません。
戻りシミに慌てない
レーザー治療を受けた後にできやすい「戻りシミ」というのを聞いたことがありますか?治療の2週間後くらいに、治療した部分がうっすらとくすむことがあります。
これは、炎症後色素沈着というもので半年くらいで消えていきますから、失敗した!と心配する必要はありません。
まとめ
顔シミのレーザー治療にはいろんなタイプのものがあります。シミのお悩みは尽きないものですが、信頼のおける病院・サロンを見つけてシミも悩みもまとめてキレイに消してしまいましょう。